あなたは豊田善一氏という超人をご存知だろうか。
私は船井幸雄氏の書籍で知った。1924年生まれ。野村証券を経て、国際証券の社長となる。国際証券の急成長の立役者。のちにKOBE証券会長も務める。
圧倒的に働く先にあるもの
本の中では「猛烈社長」だと紹介されていた。朝7時に出社して、深夜まで休まず働く。仕事の鬼だという。今ならブラック企業のそれ。働き方改革の逆をいく。
当時は移動車に電話を2台を設置。常に電話している豊田善一氏は、もう一台電話がないと連絡がつかないのだという。同じように携帯電話も2台。四六時中、仕事と向き合っている。
そういえば、前の職場のナンバーワン営業も携帯電話片手にいつも電話していた。突き抜ける人は、良い意味で常軌を逸している。
また、豊田善一氏は出会う人たちをファンにしてしまうらしい。どんな悪魔の実の能力?凄いな。ドラゴンボールの孫悟空でいう無敵の魅力に通じるところがある。
この豊田善一氏が気になって、ネットで調べる。すると市村洋文氏のブログがヒットする。
『昼メシは座って食べるな!』という本を読み、営業時代に衝撃を受けた。その著者が市村洋文氏。私は営業目標達成できないことを周りのせいにしていたけど、昼メシは座って食べてた。完全に井の中だった。大海を知らなすぎた。
出逢う人を魅了することが無敵の人生の第一歩
パラダイムシフトをもたらしてくれた本を通して知った市村洋文氏も、元KOBE証券の社長だった。ここで繋がるんだと驚いた。
ブログには野村証券で市村氏結婚時のエピソードが語られる。いち社員の結婚なのに豊田氏から直接の電話。祝いの言葉と式参加の連絡。さらに奥様の実家にご祝儀を持って挨拶に行かれたらしい。これが皆をファンにしてしまう豊田氏の魅力の源なのかも。
豊田氏は1989年に脳梗塞で倒れたとのこと。結果、左半身が不自由に。私の義父が同じような状態なので横で見てきたが、体半分が思うように使えないことの過酷さは想像を絶する。生きる喜びを根こそぎ奪うこともある。
それでも豊田氏は営業車と車椅子で一日5件のアポをこなす。戻れば代筆で礼状を書き、後輩を叱咤激励する。左半身が動かない人のエネルギー量ではない。常人以上の活躍を、ハンディキャップを抱えてもなお継続する凄さ。
体が不自由になれば、行動や思考が制限されるなんて、ただの思い込みかもしれない。豊田善一氏の活躍をみれば、障害が可能性を閉ざすなんて、勝手な偏見だということがよくわかる。
働く目的があなたの可能性を広げる
早朝から深夜まで休まず働く…。会社から強制的に「やらされて」いたらストレスですぐに戦線離脱してしまうだろう。朝起きて出てくるのはため息。出社して、早く退社時間になることだけを祈る。人生の大半をしめる仕事がそんなんで幸せなのだろうか。
豊田氏の働き方から、あなたは何を読み解きますか?
ここに書いたのは限られた情報だけど、豊田氏は決してやらされ仕事なわけでない。目的や志を持って仕事に向き合っていることが伝わってくる。
目的は収入かもしれない。業界の底上げかもしれない。関わる人への貢献かもしれない。私は豊田氏の超強烈な、善なる目的意識を感じずにはいられない。
過酷な労働環境に身を置けとか、長時間労働をしないと成長できないと言いたいわけではない。今の働き方に「何のために?」という強烈な目的意識を持つことのパワーを感じて欲しい。
何のために働くのか?もちろん人それぞれあると思う。それは固定化された一つだけの理由だけではないと思った方がいい。複数あるかもしれないし、もっと深掘りすれば違ったアイデアが浮かぶかもしれない。
そのためには日々自分と向き合うしかない。日記を書きながら向き合う。家族への対応を通して向き合う。仕事の仕方を通して向き合う。
その瞬間パワーを与えてくれる「働く目的」が見つかると嬉しい。でもすぐ忘れてしまう。だから紙に書いて、朝一番に見返すようにして欲しい。
繰り返していけば、自然と習慣になっていくはず。今日は何のために働きますか?
<参考文献>
『自分を活かす人間学(船井幸雄)』PHP研究所
『昼メシは座って食べるな(市村洋文)』サンマーク出版
『経営の王道(豊田善一)』財界研究所
コメント